- 経審は、公共工事の入札に参加するための必須条件となる手続き
- 経審を受けることで、企業の信頼度や競争力を高めることができる
- 経審の審査基準は、経営状況、技術力、社会性など多岐に渡る
- 経審の点数は、入札参加資格や受注できる工事の規模に影響する
もくじ
公共事業の受注を目指そう!
公共事業は、国や地方公共団体が発注する工事やサービスのことです。道路や橋、学校、病院などの建設、公園の整備、ゴミ収集など、私たちの生活に欠かせないものが多く含まれます。
公共事業を受注するメリットは、以下のようなものがあります。
安定した受注が見込める
国や地方公共団体が安定的に発注するため、長期的な事業計画が立てやすい。
社会貢献できる
地域社会に貢献できる実感を得ながら事業を行うことができます。
企業の信頼度向上
公共事業を受注することで、企業の信頼度や知名度が向上します。
公共事業を受注するためには、入札に参加する必要があります。そして、入札に参加するためには、「経審」を受けることが必須条件となります。
経審とは?
経審とは、「経営事項審査」の略称で、建設業者が公共工事の入札に参加するための資格審査のことです。
公共工事の入札では、価格だけでなく、企業の経営状況や技術力なども総合的に評価されます。経審は、これらの要素を客観的に評価するための仕組みです。
経審を受けることで、企業の総合的な実力を示すことができ、入札において有利になる可能性があります。
なぜ経審を受ける必要があるのか?
公共工事入札に参加する要件
公共工事の入札に参加するためには、建設業法に基づく許可に加えて、経審を受けることが義務付けられています。経審を受けずに公共工事の入札に参加することはできません。
信用度・競争力を高める
経審は、企業の経営状況、技術力、社会性などを総合的に評価するものです。経審を受けることで、これらの要素を客観的に評価され、企業の信用度を高めることができます。
また、経審の評点は、入札参加資格や受注できる工事の規模に影響します。高い評点を得ることで、より多くの公共事業を受注できる可能性があります。
経審の審査基準
経審の審査基準は、以下の4つの項目に分けられます。
経営状況分析
財務状況、経営規模、収益性などを評価します。
- 財務諸表の内容を分析し、安全性、効率性、収益性、成長性を評価
- 自己資本比率、流動比率、総資本回転率などの指標を用いて分析
技術力評価
技術者の保有状況、工事実績、技術開発力などを評価します。
- 技術者の資格、経験年数、保有資格などを評価
- 過去の実績を基に、工事の種類、規模、難易度などを評価
- 技術開発への取り組み状況、研究開発費などを評価
社会性評価
労働福祉、法令遵守、社会貢献活動などを評価します。
- 労働時間、賃金、福利厚生など、労働環境に関する取り組みを評価
- 法令遵守の状況、社会保険への加入状況などを評価
- 地域貢献活動、環境保護活動への取り組みなどを評価
その他の審査項目
建設業許可の状況、経営状況分析の補足資料などを評価します。
- 建設業許可の種類、有効期限などを確認
- 経営状況分析の補足資料として、経営計画書、事業報告書などを提出
これらの項目を総合的に評価し、経審の評点が決定されます。
経審を受けるための手順
経審を受けるための手順は、以下の通りです。
書類の準備
決算書、財務諸表、工事経歴書など、必要な書類を準備します。
申請書の提出
審査機関に申請書を提出します。
審査
審査機関による審査が行われます。
- 書類審査:提出された書類に基づき、審査基準に照らして審査
- ヒアリング審査:必要に応じて、審査機関が企業にヒアリングを実施
結果通知
審査結果が通知されます。
- 審査結果は、評点通知書として交付
- 有効期間は、通知日から1年7ヶ月
経審の申請は、建設業許可を取得している都道府県の建設業協会または商工会議所で行うことができます。
経審の点数計算
経審の点数は、以下の要素を基に算出されます。
- X1:完成工事高:過去一定期間の完成工事高を評価します。
- Y:経営状況分析:財務状況、経営規模、収益性などを評価します。
- W:技術力評価:技術者の保有状況、工事実績、技術開発力などを評価します。
- Z:社会性評価:労働福祉、法令遵守、社会貢献活動などを評価します。
これらの要素を基に、複雑な計算式を用いて点数が算出されます。
例えば、Y(経営状況分析)の点数は、以下の式で算出されます。
Y = P × (1 + α × (C - 1))
P:経営状況分析の基礎点
α:経営規模区分に応じた係数
C:自己資本額
このように、経審の点数計算は複雑なため、専門家やソフトウェアの力を借りることをおすすめします。
まとめ
経審は、公共工事の入札に参加するための必須条件となる手続きです。経審を受けることで、企業の信頼度や競争力を高め、より多くの公共事業を受注できる可能性があります。
経審の審査基準は、経営状況、技術力、社会性など多岐に渡ります。企業は、これらの要素を向上させるよう努力することで、高い評点を得ることが重要です。