Point
- 官公庁の見積合わせは、入札と比較して少額案件で利用されることが多い調達方法
- 参加しやすい反面、価格競争が激しくなる可能性がある
- 事前準備、提案力、コミュニケーション、信頼性を高めることが重要
もくじ
見積合わせとは？官公庁案件における基礎知識
官公庁が物品やサービスを調達する際、一般競争入札と並んで「見積合わせ」という方法が用いられます。
見積合わせとは、複数の業者から見積書を徴収し、価格や条件を比較検討した上で、最も適切な業者を選定する調達方法です。
一般競争入札と比較して、手続きが簡素で、少額の案件に適しています。
物品の購入、印刷、ホームページ制作、システム開発、翻訳、清掃、警備など、多岐にわたる分野で見積合わせが行われています。
入札とは
入札とは、一般的に官公庁が物品やサービスを調達する際、複数の業者から 封印入札方式で価格を提示させ、最も低い価格を提示した業者を落札者とする方式です。
入札には、一般競争入札、指名競争入札、随意契約など、いくつかの種類があります。
一般競争入札は、原則として入札参加資格を持つすべての業者の参加が認められており、最も競争性の高い方式です。
指名競争入札は、官公庁があらかじめ選定した業者のみが参加できる方式で、特定の分野に特化した業者を選定したい場合などに利用されます。
随意契約は、官公庁が特定の業者と直接交渉して契約を締結する方式で、緊急性が高い場合や、特殊な技術が必要な場合などに利用されます。
入札形式について詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にしてください。
見積もりと入札の違い
見積もりと入札は、どちらも官公庁が物品やサービスを調達するための方法ですが、いくつかの違いがあります。
入札は資格を持つ全ての企業が参加出来る方式ですが、見積合わせは発注機関から指名を受けた企業が参加可能です。
※多くの企業が参加可能な「公募型見積合わせ」という方式もあります。
また、見積合わせは、価格だけでなく、技術力や納期なども考慮して業者を選定することができます。
一方、入札は、原則として価格のみで業者を選定します。
見積合わせは、入札と比較して手続きが簡素で、少額の案件に適しています。
官公庁の見積合わせに参加するメリット
官公庁の見積合わせに参加するメリットは以下の点が挙げられます。
落札確度
一般競争入札は資格を持つ全ての業者が参加可能なため、競争相手が多いです。
一方、見積合わせは発注機関から指名を受けた数社の参加になるため、一般競争入札と比較して競争相手が少なく契約に繋がりやすい場合があります。
利益の確保
価格だけで評価される入札と異なり、総合的に評価される見積合わせは、利益を確保しやすい面もあります。
また、官公庁との取引は、安定した収入につながる可能性が高いです。官公庁は、予算に基づいて事業を行うため、長期的な取引が見込める場合もあります。
信頼獲得
見積合わせに限らず、官公庁の案件を受注することで、企業の信頼性を高めることができます。官公庁との取引実績は、民間企業との取引においても、大きなアピールポイントになります。
官公庁の見積合わせのデメリット
資格があれば参加出来る一般競争入札とは違い、見積合わせに参加するには発注機関から指名される必要があります。参加するには企業の信頼性をたかめ、実績を作っておく必要があります。
見積合わせの流れと必要書類
官公庁の見積合わせは、一般的に以下の流れで行われます。
見積依頼書の入手
官公庁から見積依頼書を入手します。見積依頼書には、調達する物品やサービスの内容、数量、納期、提出期限などが記載されています。
見積書の作成・提出
見積依頼書に基づいて見積書を作成し、提出期限までに提出します。見積書には、見積金額、納期、支払条件などを明記する必要があります。
結果通知
官公庁から、見積合わせの結果が通知されます。見積合わせの結果は、ホームページや書面などで通知されます。
官公庁の見積合わせで成功するためのポイント
官公庁の見積合わせで成功するためには、以下のポイントを押さえましょう。
事前準備
競合他社の調査や、適切な価格設定を行うことが重要です。過去の入札結果や、競合他社のホームページなどを参考に、市場価格を把握しましょう。
提案力
自社の技術力や実績をアピールすることが重要です。官公庁は、価格だけでなく、品質や技術力も重視します。そのため、自社の強みを明確にアピールすることで、受注の可能性を高めることができます。
コミュニケーション
官公庁の担当者と良好なコミュニケーションを図ることが重要です。見積合わせの過程で、不明点や疑問点があれば、積極的に質問しましょう。また、官公庁の要望をしっかりと理解し、対応することで、信頼関係を築くことができます。
信頼性
過去の納入実績や、企業の安定性をアピールすることが重要です。官公庁は、信頼できる業者との取引を希望します。そのため、過去の納入実績や、財務状況などをアピールすることで、信頼性を高めることができます。
見積合わせに関するよくある質問
見積合わせに関するよくある質問をまとめました。
辞退
見積合わせへの参加を辞退することは可能です。ただし、辞退する場合は、速やかに官公庁に連絡する必要があります。無断で辞退すると、今後の見積合わせへの参加を制限される可能性があります。
失格
見積書に虚偽の内容を記載した場合や、提出期限を守らなかった場合は、失格となる可能性があります。また、官公庁の指示に従わなかった場合も、失格となる可能性があります。
また、鉛筆での記述などで失格になる場合もあります。各発注機関の「入札の心得」に目を通すといいでしょう。
再度見積合わせ
見積合わせの結果に納得できない場合は、再度見積合わせを依頼することができます。ただし、再度見積合わせが認められるかどうかは、官公庁の判断によります。
まとめ
見積合わせは、入札と比較して競合が少ないメリットがある一方、発注機関から指名が無いと参加できないデメリットがあります。
そのため、見積合わせで成功するためには、実績づくりや信頼性を高めるための事前の準備が重要となります。
官公庁との取引は、企業にとって安定した収入源となるだけでなく、企業の信頼性向上にも繋がります。
見積合わせへの参加を検討している企業は、本記事で紹介した内容を参考に、事前準備を入念に行い、積極的に参加しましょう
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