建設業の営業とは?案件獲得の方法と公共営業の基本を解説

建設業の営業とは?案件獲得の方法と公共営業の基本を解説

Point

  • 建設営業は民間企業、個人、元請会社、官公庁と多岐にわたり、それぞれのニーズに合わせたアプローチが求められる。
  • 民間営業は「自由な価格・提案・関係性」で意思決定されるが、公共営業は「入札制度」という厳格なルールで行われる。
  • 公共工事は予算サイクルが決まっているため、発注時期の予測が立てやすいという特徴がある。

建設業の営業は、工事案件を獲得するための重要な業務です。民間企業や個人、官公庁からの受注、既存顧客からの紹介、元請会社からの受注など、建設業にはさまざまな営業ルート・方法があります。

一方で、案件の獲得方法や受注の仕組みは、民間工事と公共工事で大きく異なります。その違いを理解することは、営業活動の幅を広げるうえでも重要です。

この記事では、建設業の営業の基本的な役割や主な案件獲得の方法を整理したうえで、民間営業と公共営業の違い、営業活動でよくある課題、そして公共工事を含めた受注機会の考え方について解説します。

建設業の営業とは?案件を獲得する主な方法

建設会社が事業を継続するためには、工事案件を継続的に確保することが欠かせません。そのために行われる活動が「営業」です。建設業における営業は、一般的な法人営業とは性質が異なる部分も多く、営業先や受注方法も多様です。

ここでは、建設業の営業の役割と特徴、そして主な案件獲得の方法について整理します。

建設業の営業の役割

建設業の営業とは、建物やインフラ整備などの工事案件を受注するための活動を指します。一般的な営業では商品やサービスを販売することが中心になりますが、建設業では工事の受注が目的です。

案件ごとに工事内容や規模が異なるため、営業活動では顧客の要望を把握し、施工内容や工事条件を調整しながら受注につなげていく必要があります。

また、建設業の営業は単に契約を獲得するだけではありません。見積作成、施工内容の打ち合わせ、社内の技術部門との調整など、受注から完成までの間にさまざまな業務で窓口担当者として関わる場合が多い点も特徴です。

建設業の営業の特徴

建設業の営業は、完成した商品を販売する営業とは異なり、工事というプロジェクトの受注を目的とする点に特徴があります。工事案件は、建物の用途や規模、施工条件、工期などが案件ごとに異なるため、同じ条件で繰り返し販売できる商品とは性質が異なります。

そのため、営業活動では顧客の要望を踏まえながら施工内容を整理し、見積を作成し、社内の技術部門や施工部門と調整を行う必要があります。案件によっては設計条件や施工方法の確認が必要になることもあり、営業担当者は顧客と社内の施工体制をつなぐ役割を担います。

建設業における多様な営業先

建設業の営業は、対象となる顧客の種類が幅広い点も特徴です。建設業では、企業の規模や得意分野によって、以下のように多様な主体が顧客となります。

  • 民間企業(工場、オフィス、商業施設などの建設)
  • 個人施主(住宅、店舗など)
  • 元請会社(下請工事の受注)
  • 官公庁(公共工事)

建設業の主な営業手法

建設業で工事案件を獲得する方法は、対象とする顧客の属性によって異なります。
以下のとおり、企業の規模や事業分野によって、民間営業を中心とする企業もあれば、公共工事を主な受注源とする企業もあります。

民間企業への営業

企業が建設を予定している工場、オフィス、商業施設などの案件を受注する方法です。企業の設備投資や事業計画に合わせて提案を行い、受注につなげます。

既存顧客からの紹介

過去に施工した顧客から新たな案件を紹介してもらう方法です。既存顧客との関係維持が営業活動の重要な要素になります。

元請会社からの受注(下請け)

大手ゼネコンや元請企業から下請工事を受注する方法です。専門工事会社などでは、この形態が主要な受注ルートになっている場合もあります。

公共工事入札

国や地方公共団体などが発注する公共工事を入札によって受注する方法です。各発注者の参加資格を有する企業が入札に参加し、価格や技術評価などを基に受注者が決定されます。

建設業における民間営業と公共営業の違い

建設業の営業を「民間営業」と「公共営業」に分けることができます。民間営業と公共営業では、受注に至るまでの仕組みや営業活動の進め方は異なります。

ここでは、意思決定の考え方や発注の仕組みなどの観点から、民間営業と公共営業の主な違いを整理します。

意思決定基準の違い

民間工事では、発注者が自社の判断に基づいて施工会社を選定します。価格や技術力、提案内容、過去の取引関係などが判断材料になることが一般的です。企業によっては購買規程に基づいて複数社から見積を取得するなど、社内の承認手続きを経て施工会社を決定する場合もあります。

一方、公共工事では受注者の選定方法が法令で定められています。国や地方公共団体が工事を発注する際には、公平性や透明性を確保することが求められます。そのため、特定の企業を任意に選定するのではなく、入札制度などのルールに基づいて受注者が決定される仕組みになっています。

予算・発注時期の違い

民間工事は、企業の設備投資や事業計画、個人の建築計画などに応じて発注されます。そのため、工事の発注時期や規模は発注者の状況によって変動します。投資計画の変更や市場環境の変化によって、工事計画が延期されたり中止されたりすることもあります。

一方、公共工事は予算制度に基づいて発注されます。国や地方公共団体では、4月を始まりとする会計年度ごとに予算が編成され、その中で工事費が計上されます。

予算が成立した後に工事の発注が行われ、また予算は基本的にその年度内に執行する必要があるため、案件の発注時期や件数には一定の傾向があります。例えば、約1年の工期を要する工事の入札は、年度内に工事を完了させるために、年度の始め頃に集中する傾向があります。

建設業の営業でよくある課題

営業活動の属人化

建設業では、営業活動が担当者の経験や人脈に依存している場合があります。顧客情報や営業ノウハウが組織として共有されていない場合、担当者の退職などによって受注機会が減少する可能性があります。

また、特定の営業ルートに依存した状態では、新たな案件獲得の方法を広げにくくなることもあります。

紹介案件への依存

既存顧客や取引先からの紹介によって工事案件を受注するケースも多く見られます。

紹介案件は信頼関係を背景とした受注につながりやすい一方で、発注者をとりまく景気動向等の影響を受けやすく、受注が不安定になることがあります。

新規案件獲得の難しさ

民間工事では、公共性の高い特殊な法人を除き案件情報が公表されない場合が通常で、既存の取引関係がない企業の発注動向を把握することは難しいです。

受注機会を広げる手段としての公共工事

こうした課題に対応する方法の一つが、公共工事への参入です。

公共工事では、国や地方公共団体が発注情報を公告などで公表します。入札参加資格を取得すれば、格付や工種などの条件の範囲内で複数の案件に入札することができます。案件によっては公共工事の実績が求められる場合もありますが、新規参入企業でも十分に受注が期待できます。

また、道路や橋梁、上下水道などのインフラ整備や維持管理の工事は継続的に発注されるため、今後も一定の案件数が見込まれる点も特徴です。

公共工事入札における営業活動の基本

建設業の民間営業において、案件情報が限られたり受注機会が不安定になったりすることに対し、公共工事への参入が課題解決の方法になり得る場合があります。

公共工事は国や地方公共団体などが発注する工事について入札制度が採用されており、一定の条件を満たした企業が受注を競う仕組みになっています。

公共工事とは

公共工事とは、国や地方公共団体などが発注する工事を指します。施工の対象は道路、橋梁、河川、上下水道、公共施設などの社会インフラです。

受注者の選定は入札制度などのルールに基づいて行われます。そのため、営業活動の中心は発注者への直接的な提案活動ではなく、入札案件への参加と落札後の対応となります。

主な入札方式

公共工事では、発注内容に応じて複数の入札(契約)方式のいずれかが採用されます。代表的な方式は次のとおりです。

  • 一般競争入札:参加資格を満たす企業が広く参加できる方式。
  • 指名競争入札:発注者が一定の条件を満たす企業を指名し、指名された企業のみが入札に参加する方式。
  • 随意契約:特定の事情がある場合に、発注者が特定の事業者と契約する方式。緊急工事や特殊な技術が必要な工事などで採用されることがあります。

入札に参加するための準備

公共工事の入札に参加するためには、一定の条件を満たす必要があります。主な要件は次のとおりです。

  • 建設業許可の取得
  • 経営事項審査(経審)の受審
  • 発注機関への入札参加資格申請

入札参加資格は発注機関ごとに申請する必要があります。さらに、経営事項審査の結果などを基に企業の格付(等級)が決められ、参加できる工事の規模が定められます。

公共工事営業のポイントは「案件情報の収集」

公共工事営業では案件情報の把握が重要

公共工事では、入札公告や仕様書などの情報が発注機関によって公表されます。入札公告には、工事内容や入札参加資格、工事場所、工期、入札日程などの情報が記載されます。

企業はこれらの情報を基に、入札に参加できるかどうか、採算性の有無を検討して入札参加を判断します。

公共工事では、案件情報を把握しなければ入札に参加することができません。入札参加資格を取得していても、公告を見逃してしまえば入札の機会を逃してしまいます。

そのため、公共工事営業では、発注情報を継続的に確認し、自社が参加できる案件を把握する体制を整えることが重要になります。工事内容、参加資格、工事場所などを確認し、自社の得意分野や参加条件に合う案件を選定することが営業活動の基本になります。

発注機関ごとに情報公開の場所が異なる

国の省庁や地方自治体などの発注機関は、それぞれのウェブサイトや電子入札システムなどで入札公告を公表しています。

そのため、案件情報を把握するためには複数のサイトを確認する必要があります。
例えば、

  1. 営業所が所在する都道府県
  2. 営業所が所在する市区町村
  3. 2に隣接する市区町村

といったように、地元の地方自治体の案件情報を把握するだけでも、複数の発注機関のホームページ等を定期的に確認する必要があります
営業エリアが広範な企業ほど、発注機関ごとに情報を確認する作業は重要さを増します。

情報収集にNJSSを活用することがおすすめ

案件情報を確認する方法の基本は各発注機関のホームページ等を個別に確認する方法です。しかしながら、複数の発注機関の情報を毎日確認することは非常に手間がかかり、見逃し等のリスクもあります。

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こうしたサービスを利用することで、国や自治体などの発注情報を横断的に検索することができ、案件情報の確認作業を効率化することができます。公共工事営業では、案件情報の収集体制を整えることが、入札参加の機会を広げることにつながります。

まとめ

建設業の営業は、工事案件を受注するための活動であり、民間企業や個人からの受注だけでなく、公共工事入札への参加など複数の方法があります。

建設業の営業では、営業活動の属人化や紹介案件への依存などが課題になることがありますが、こうした状況の中で、公共工事は新たな受注機会を確保する手段の一つとなる場合があります。入札参加資格を取得すれば、格付や工種などの条件の範囲内で複数の案件に参加することができ、一定の案件数が見込まれる点も特徴です。

公共工事の受注に向けては、発注情報を継続的に確認し、自社が参加できる案件を逃さず把握することが重要です。

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