公共入札にチャレンジするなら必ず知っておきたい! 「仕様書」の読み方を解説

公開日: 更新日: #仕様書 公共入札にチャレンジするなら必ず知っておきたい! 「仕様書」の読み方を解説
Point

  • 仕様書は、案件の詳細が記載された、見積作成のために欠かせない書類
  • 電子入札システムを通じて、仕様書をダウンロードすることができる
  • 中には、説明会に出席しないと仕様書を受け取れないケースもあるため、注意
  • スムーズな入札のために、仕様書はできるだけ早いタイミングで入手したい

近年、販路を開拓するための手法のひとつとして、公共入札に参入する企業が増加しています。しかし公共入札においては、一般企業と契約する時にはない、取引に関するさまざまな要素や条件があるため注意が必要です。

そうした案件ごとに異なる要素や条件を、入札前に確認するための重要な書類が仕様書です。

本コラムでは、仕様書に書かれている内容や、その読み方について詳しく解説していきます。

公共入札の「仕様書」とは?

仕様書について、「建築・土木工事やシステム・ソフトウェア開発における書類のひとつ」といったイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。

そもそも仕様書とは、そうした(建築・土木工事やシステム・ソフトウェア開発などの)のプロジェクトを発注する業者が、受注する業者との間に認識の齟齬が生じないよう、事前に納品物の完成イメージを共有し、納品後のトラブル発生を未然に防止する目的で作成される書類です。

仕様書に記載される内容はプロジェクトによって様々ですが、「何を、どのように作業するのか」といった項目のほか、「いつまでに納品するのか」といった項目も含まれるケースが多いです(記載内容によって設計書と仕様書をそれぞれ作成するケースも見受けられます)。

公共入札における仕様書も、その目的や内容は同様です。公共入札と一口に言っても、対象となる業務内容は様々です。

仕様書は、そうした幅広い業務が発注機関(官公庁や自治体)のイメージ通りに完遂されるよう、入札説明書類のひとつとして交付されます。入札案件の落札を狙う企業にとっては、見積書の作成はもちろん、落札後の業務で手戻り等のロスを発生させないためにも、非常に重要な書類だと言えます。

公共入札における仕様書の入手方法

ここでは、仕様書の一般的な入手方法について解説していきます。

電子入札システムを通じて入手する

最近では、国内のほとんどの発注機関(官公庁・自治体)が電子入札システムを活用しており、公示・広告されている公共入札の案件の多くは、電子入札システム上で確認することができます。

仕様書についても同様で、各発注機関の電子入札システムにログインした上で、該当の案件のページを開くと、各種書類を閲覧・ダウンロードすることができます

ただし、電子入札システムにログインするために発注機関の入札資格の取得を求められるケースもあるため、注意が必要です。

直接、発注機関に出向いて入手する

発注機関が自社から遠くない場所にある場合、電子入札システムを利用せずに、直接出向いて仕様書を受け取る方法もあります。

総務部や財務部など、受付窓口は発注機関によって異なるため、訪問前に該当する窓口を確認しておくとよりスムーズに仕様書を入手できるでしょう。

また、仕様書を受け取る際の、窓口担当者とのコミュニケーションが、案件を落札するヒントになるケースもあります

そのため、仕様書を受け取ったらその場で内容に目を通しておき、不明点は窓口担当者にすぐに相談して解消しておくことがおすすめです。

仕様書を入手できないとどうなる?

参加したいと考えている入札案件の仕様書が入手できない場合、当然ながら「正しく見積金額が出せない」「適切な提案ができない」といったリスクが生じます。

それだけでなく、発注機関からそもそも公共入札への参加資格が与えられず、仮に入札したとしても無効となってしまうようなケースもあります

例えば、国土交通省の入札公告には、競争参加資格について「入札説明書を入手した者であること」といった旨の記載があります。さらに、入札説明書には「仕様書の交付を受けない者は、入札に参加することができない」旨の記載もされています。

このように、仕様書を含む入札説明書は、公共入札に参加するために文字通り欠かせないものです。抜け漏れなく事前に手に入れておくようにしましょう。

仕様書に記載される主な内容

ここからは、仕様書に記載される主な内容について解説していきます。

件名

入札における取引案件や業務の名称です。「〇〇の実地調査業務」「□□システム設計開発業務委託」といった形で、業務内容がまとめられて記載されているケースが多いです。

目的

「□□システムを導入すること」など、案件を通じて目指すべきゴールが記載されています。この目的を理解することで、企業が発注機関のニーズを把握し、適切な提案に繋げることができます。合わせて、完了後に期待する効果が記載されることもあります。

業務の内容や納品物の仕様

企業が落札・受注後に行う業務の具体的な内容や、成果物に求められる仕様が記載されています。システム開発など、用語があいまいになりがちな案件の場合、用語の定義が合わせて記載されることもあります。

納期や委託期間

委託者が実際に業務を行う期間が、「契約締結日から○年○月○日まで」といった形で記載されています。事前に発注機関側の希望がある場合には、想定スケジュールが記載されていることもあります。

提出書類(報告書など)

業務完了後、業務の実施内容や成果を報告する書類の一覧が記載されています。業務内容によって必要な書類は異なりますが、進捗管理表や品質計画書、要件確認書などが求められるケースが多いです。

委託料

案件完了後に、委託者から受託者に支払われる金額が記載されています。材料費や人件費など、業務遂行にあたりかかる費用の概算金額や、その支払い方法などを把握することができます。

関連法令

業務を遂行するにあたって遵守する必要のある法律や条例、またそれらの施行規則が記載されています。

その他の項目

ここまで解説した項目のほか、案件によって様々な内容が記載されます。例えば、業務遂行中、万が一の事故や、スケジュール遅延による損害などが発生した場合に備え、安全上実施すべき措置や賠償規定などが記載されるケースがあります。

仕様書読みのスピードを上げよう!

このように仕様書には「落札すべき案件かどうか」を判断するための重要な内容が多く含まれているため、入札前にしっかりと読み込むことが欠かせません。

しかし、公共入札は案件が公示されてから入札・落札までの期間が、5〜10日程度と短いことが多いです。余裕を持った準備のためにも仕様書の内容をスピーディに理解できるよう、過去の案件の仕様書などを参考にしつつ、読むことに慣れておきましょう

また、短期間での入札に対応するためには、自社に合う案件探しを効率化しておくことも大切です。

株式会社うるるでは、官公庁・自治体の案件探しを効率化するツールとして「入札情報速報サービスNJSS」を提供しています。

NJSSは、Webサイトから入札情報や応札・落札情報を収集し、提供するサービスです。日々掲載される入札案件に関わる必要な情報が整理されているため、膨大な入札案件から自社に合った案件を探す手間を効率化することができます。

さらに、各案件のページからは、仕様書も入手することが可能で、「仕様書を入手したいけれど、発注機関のWebサイトが見づらく、どこにあるのかわからない…」といったトラブルも防ぐことが可能です。

NJSSはトライアルも可能ですので、ぜひお気軽にご登録ください。

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