知っておきたい入札辞退届の基本「公共入札を途中で辞退したいけど、どうすれば…」

公開日: 更新日: #入札 知っておきたい入札辞退届の基本「公共入札を途中で辞退したいけど、どうすれば…」
Point

  • 原則として、入札辞退は「しないほうが良い」
  • やむをえず辞退する場合は、口頭ではなく書面でのやりとりを求められることが多い
  • 入札前の辞退は、多くの場合、認められている
  • 入札後の辞退は、ペナルティを科されるケースがある

企業が公共入札への参入を継続していると、様々な理由から、入札を辞退せざるを得ないようなケースが生じることもあります。

そんな時、官公庁や自治体など入札の話を進めていた発注機関に向けて提出する書類が「入札辞退届」です。

本コラムでは、そんな入札辞退届の基本と書き方について、詳しく解説していきます。

入札辞退届とは

入札辞退届とは、その名のとおり、公共入札において案件の入札準備を進めている際、または入札(応札)・落札後に辞退する場合に、発注機関(官公庁・自治体)に対して提出する書類のことを指します。

本コラムでは入札辞退届という名称で記載していますが、発注機関全体で統一されているわけではありません。官公庁・自治体によっては、より簡素に「辞退届」と記載するケースもあります。

また、書類のフォーマットも発注機関によってさまざまです。そのため、書類を記入する際には、都度、入札する案件の公示書や仕様書を確認したり、官公庁・自治体の契約担当者に問い合わせたりしながら進めていくことおすすめします。

入札辞退届の提出が求められる理由

実際に企業や個人事業主が公共入札を辞退する場合には、多くの発注機関で、口頭ではなく入札辞退書を提出して申請を取り消す必要があります。さらに、書類上で入札辞退に至った理由を記載しなければなりません。

このように入札辞退書を通じた手続きが求められる理由として、入札談合の存在があります。

入札談合とは、特定の企業を落札させるために、他社が談合して辞退するもので、公平性の観点から法律によって禁止されています。一方、口頭のみで気軽に入札を辞退することが可能な場合、入札談合が横行してしまうおそれがあります。

また、発注機関にとっては入札辞退された場合に、想定した業務スケジュールが大きくずれ込んでしまうといったリスクもあります。

このような理由から、発注機関側は入札辞退を重く見ており、口頭ではなく入札辞退届を書類として提出すること、そして理由の記載を求める発注機関が増えています。

入札を辞退せざるを得ないケース

これから入札に参入しようと考えている場合、具体的にどういったケースで入札を辞退してしまうのか、イメージしづらいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、ここからは企業が入札を辞退する主なケースを紹介していきます。

案件の履行のために必要な人材を確保できなくなった

落札する案件によっては、受注後にプロジェクトに必要な人材を、再委託により確保するようなケースもあります。一方で近年では人材の流動性が高まっており、タイミング次第で求める人材を十分に確保できないおそれがあります。

見積金額が当初の想定から大きく乖離してしまった

このところ、不安定な世界情勢によって、為替の変動幅が非常に大きくなっています。こうした為替の影響を受けた場合、入札段階では見積金額で遂行できていた業務が、落札段階では難しくなってしまうケースもあります。

発注機関からの要望に不透明な部分が多かった

発注機関側は、案件の業務内容に対して全てプロフェッショナルというわけではありません。例えば新規のシステム開発案件では、発注機関と入札企業それぞれが想定していた要件が異なっていると、見積金額での遂行が難しくなってしまう可能性があります。

技術的に自社で案件を履行するのが難しいことが判明した

中には、特別な技術や資格が求められる案件もあります。例えば、AIなど最先端技術を駆使して対応する案件の場合、その時点の技術力では発注機関が期待する効果を満足することができないと判断して、やむなく辞退するようなケースがあります。

タイミングによって異なる、入札辞退の考え方

入札辞退については「入札(応札)前」と「入札(応札)後」で、その考え方が大きく異なるため注意が必要です。

ここからは、入札前と入札後の辞退でそれぞれの違いを解説していきます。

入札(応札)前

入札前のタイミングで辞退する場合は、特に問題としていない発注機関が多いです。

そのため、辞退によってペナルティが科されるケースもほとんどありません。

入札(応札)後

入札(応札)後の辞退については、そもそも「入札辞退はできない」と記している発注機関が少なくありません

また、入札辞退届が認められたとしても、記載された理由が不誠実な事実に基づく場合、入札参加停止などのペナルティが科されるケースも珍しくありません。

一例として、大阪府堺市では、Webサイト上で入札後の辞退について次のように記載しています。

申請後に入札を行っていない場合に限り、辞退することが可能です。ただし、入札後の辞退はできませんのでご注意ください。また、辞退に伴うペナルティは原則としてありませんが、辞退が不誠実な事実に基づく場合は、入札参加停止等を行うことがあります。なお、辞退は、電子調達システムから行ってください

参考:https://www.city.sakai.lg.jp/sangyo/nyusatsu/kensetsu/hacchujoho/nyusatu/jitai.html

このようなペナルティを避けるためにも、入札は慎重に行うようにしましょう。

入札辞退届に記載する、基本的な内容

前述したとおり、入札辞退届には統一されたフォーマットはありません。ただ、次のような項目の記載が求められることが一般的です。

(入札辞退届の主な項目)

  • 日付
  • 案件名
  • 入札日
  • 社名
  • 辞退の理由
  • 住所/会社名/代表者名

電子入札システムを導入している発注機関の場合、システム上で入札辞退届を提出できるケースが多くあります。

ただし、特に入札(応札)後に入札辞退する場合には、トラブルを回避するためにも必ず事前に官公庁・自治体の契約担当者に辞退の可否やペナルティの有無について確認するようにしましょう。

原則として、入札辞退はしないように

ここまで入札辞退届の基本について解説してきました。

やむをえず入札辞退しなければならないケースもあるものの、ペナルティなどを踏まえるとやはり極力、入札辞退は避けたいものです。

そのためには、案件に対して余裕を持った見積書や提案書の作成が重要です。過去の案件などをベースに、公示前から「自社で対応できる案件が出てきたら、このくらいで見積りを出す」といったように、準備しておきましょう。

そうした入札準備段階で効果を発揮するのが、入札情報速報サービスNJSSです。

NJSSは、株式会社うるるが開発した官公庁・自治体の案件を探すために最適なツールです。日々掲載される入札案件に関わる必要な情報が整理されており、豊富な入札情報の中から、効率よく自社にあった案件を見つけることが可能なほか、過去の案件情報もスムーズに分析することができます。

トライアルも可能ですので、ぜひお気軽にご登録ください。

国内最大級の入札情報サイト

NJSSは官公庁・機関のサイトから入札情報を収集し、提供するサービスです。 掲載している案件数は年間180万件以上、落札結果1,800万件以上、掲載機関数8,400以上という圧倒的なボリュームです。 豊富な情報量から、御社にあった案件が見つかります。

55秒の
簡単登録
初心者の方でも安心!
無料サポート
無料でご利用可能
自動課金なし
無料で試してみる

関連無料e-books

関連無料e-books

無料トライアル 無料セミナー 無料e-Books