一般競争入札とは?初心者でも1から理解できるよう解説

公開日: 更新日: #一般競争入札 【公共入札で成果を出す】一般競争入札とは?初心者でも1から理解できるよう解説
Point

  • 一般競争入札とは最も有利な条件を提示した事業者と契約する入札方式
  • 資格があればどの事業者にも落札のチャンスがある
  • 参加ハードルが高くないので公共入札が初めてでも参加しやすい
  • 落札確立アップには発注機関情報や類似過去データなどの情報収集が重要

一口に公共入札といっても、さまざまな入札方式があります。そのため、初めて入札に参加する際には「どの方式に、どんな特徴があるのかわからない」といった方が少なくありません。

そこで本コラムでは、公共入札の中でも多くの案件数を占める入札方式「一般競争入札」について、特徴やメリット・デメリット、落札するためのポイントを詳しく解説していきます。

一般競争入札とは!?

一般競争入札は、官公庁が不特定多数の事業者から入札を募り、最も有利な条件を提示した事業者と発注機関が契約を締結する入札方式です。
一般競争入札における落札者の決め方には「最低価格落札方式」と「総合評価落札方式」の2種類があります。

このうち「最低価格落札方式」は、入札価格の最も低い事業者を落札者とする決め方です。一方、「総合評価落札方式」は、事業の工期や製品の機能、安全性など、価格以外の要素と価格を総合的に評価し、最も評価の高い事業者を落札者とする決め方です。
そんな一般競争入札は、すべての入札方式のうち32.7%を占めるなど(※)、公共入札において採用されるケースの多い入札方式となっています。
(※)NJSS調べ

一般競争入札の主な特徴

一般競争入札の主な特徴の一つとして、公平性を挙げることができます。
一般競争入札は参加資格の取得など一定の条件さえ満たせば、どの事業者にも落札のチャンスがある制度です。そのため、あらかじめ発注機関が入札に参加する事業者を指名する方式(後述の指名競争入札)などと比較して透明性があり、公平性の高い入札プロセスだと言えるでしょう。

一般競争入札と指名競争入札の違い

一般競争入札と比較される機会の多い入札形式が、指名競争入札です。
条件さえ満たせば誰でも入札に参加できる一般競争入札に対し、指名競争入札はその名のとおり、発注機関に「指名」された特定の事業者以外は入札に参加できません。そして、入札に参加した事業者のうち、最も有利な条件を提示した事業者と発注機関が契約を締結する入札方式です。

入札に参加可能な事業者の範囲こそ違うものの、落札者の決め方については、指名競争入札も一般競争入札同様、「最低価格落札方式」と「総合評価落札方式」の2種類があり、案件の内容によっていずれかの方式が採用されています。

(指名競争入札と比較した際の)一般競争入札のメリット

指名競争入札への参加には、公共入札における実績や経験が求められる一方、一般競争入札ではそうした条件がありません。
このことから、事業者サイドから見ると、公共入札が初めてでも参加しやすい点が一般競争入札の最大のメリットとして挙げられます。
また、指名競争入札と比較して案件数が多いため、自社にあった案件を見つけやすいというメリットもあります。

(指名競争入札と比較した際の)一般競争入札のデメリット

公共入札の中でも参入のハードルが比較的低い一般競争入札の案件には、多数の入札事業者が入札してきます。そのため、入札事業者が限定される指名競争入札と比較すると、競争が激しい傾向にあります。
特に、最低価格落札方式の案件では注意が必要で、「落札」という成果を追い求めるあまり、過度に入札金額を低く設定した結果、事業者の利益を圧迫してしまうケースも少なくありません。

また、入札においては提案書の作成等、準備にも時間がかかるため、「行けそうな案件には全て入札」といった考えで参入してしまうと、入札担当者の業務負荷が高まる一方で、成果が出ないという悪循環に陥ってしまいます。
こうしたケースを未然に防止するためには、過去の同様の案件から落札金額データを収集・分析し、自社では難しいと考えられる案件の場合には参加しないという判断をすることが重要です 。

一般競争入札の参加の流れ

では、事業者はどのように一般競争入札に参加すれば良いのでしょうか。ここでは、落札までの流れを解説していきます。

公示

発注機関が公共入札の対象と決定した案件は、地域内の掲示板などに貼り出され、同時にWebサイトにも掲載されます。参加事業者は、貼り出された入札説明書から必要な資格や条件、書類などを確認できます。

書類の準備

入札への参加希望事業者は、公示内容に沿って必要な書類を準備します。書類は基本的に発注機関のWebサイト経由でダウンロード可能です。申込書のほか、案件によって必要な添付書類が異なるため注意しましょう。

申請

書類の準備が完了したら、発注機関に送付して申請します。直接、発注機関に出向く方法もありますが、時間とコストを考えると、インターネット経由で申請する「電子入札」が効率的です。

入札参加資格確認結果の通知

提出した書類をもとに、発注機関が審査を行います。結果は、公示されている期日までに、入札参加事業者に書面で通知されます。ここで落とされた場合には、その理由の説明を求めることができます。

質問受付・回答

入札参加資格有りと通知を受けた事業者には、設計図書等の配布があります。この内容について入札にあたって質問がある場合には、指定の様式で提出することで後日、Webサイトに回答が掲載されます。

入札

締切日までに入札書を提出します。一度提出した入札書の修正はできませんので、記載内容は提出前に十分確認しておきましょう。入札書を提出すると「入札書受付票」が発行されます。

開札・結果の通知

あらかじめ設定されたスケジュールに沿って改札が行われ、結果がWebサイト上に掲載されます。落札者には「落札者決定通知書」が交付されます。

一般競争入札の案件を落札するための3つのポイント

ここからは、一般競争入札の案件から、公共入札への参入を検討している企業に向けて、落札のために最低限、押さえておきたいポイントを3つに絞って解説していきます。

過去の落札データを分析する

前述した通り、過去の落札データを十分に確認せずに入札した場合、落札できなかったり、落札できたとしても利益がほとんど出なかったり、といったケースに陥りがちです。
最低価格落札方式の案件は「入札金額が全て」といっても過言ではありませんので、過去の同様の案件の落札金額を収集・分析した上で、入札金額を決めましょう。

総合評価落札方式の案件では、さらに過去の落札データを分析する重要性が増します。落札事業者の訴求ポイント(事業の工期や製品の機能、安全性など)を分析した上で、自社の提案に活用することができるためです。

電子入札化が進んだ公共入札においては、過去の落札データは発注機関のWebサイトから確認することができますので、自社が入札を検討している案件と同様の案件のデータは、あらかじめ収集しておくことをおすすめします。

発注機関の情報も押さえておく

一般競争入札で成果を出すためには、入札を検討している案件の内容を正確に理解することはもちろん、発注機関の情報を把握しておくことも欠かせません。
公共入札では、案件が公示されてから入札までの期間は、そう長くありません。中には、公示から最短5日で入札となるケースもあるほどです。
こうした状況の中、事業者が公示されてから入札の準備をしていたのでは、提案内容に不備が出てしまうおそれがあります。

そこで、過去のデータに基づき、自社に適した案件が出そうな発注機関をピックアップしたら、その発注機関のWebサイトを通じて、予算編成や関連する事業の情報をあらかじめ収集しておくことが重要です。
こうすることで、公示から入札までの期間が少なかったとして慌てることなく、適切な提案内容で入札に臨むことができるでしょう。

なお、公示前から情報を引き出そうと、発注機関の担当者と直接コミュニケーションを取ろうとしてしまうと「決まっていない内容だから、質問されても困る」「多忙な時期なのに連絡してこられても迷惑」など、先方に負担をかけてしまうだけでなく、自社の印象が悪くなってしまう可能性があるため注意が必要です。
こうした場合には、アンケート送付など発注機関の負担が極力少ない方法を活用しましょう。

公示された案件を抜け漏れなく収集する

前述した通り、入札までの期間には余裕がないケースもあるため、自社に適した案件が公示されているかどうか、スピーディかつ抜け漏れなくチェックしておく必要があります。

しかし、入札市場においては、官公庁、地方自治体、外郭団体を合わせて約8,300もの機関が、日々、案件の情報を公示しており、すべての機関のWebサイトをひとつずつチェックし続けることは現実的ではありません。

最近では、こうした課題を解消するため、発注機関の公示した情報を取りまとめて展開する「入札情報速報サービス」が登場しており、注目を集めています。入札情報速報サービスでは、自社に関連するキーワードでの案件の絞り込みや、新着情報のアラート機能などが利用できるため、情報収集・案件探しの効率化を図ることができます。

公共入札の情報収集・案件探しはNJSSで!

「入札情報速報サービス」のひとつであるNJSS(エヌジェス)には、日々掲載される入札案件に関わる必要な情報が整理されており、豊富な入札情報の中から、お客様にあった案件を見つけることができます。
これから入札に参入しようとしている企業のために、専門コンサルタントやアドバイザーがいることも特徴で、初めての入札で成果を出すためのサポートが整っています。

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